講演会              5月15日(日) 下松中央公民館

あなたのライフ・スタイルは、年相応ですか?


山口県立総合医療センター
                       院長 江里 健輔 先生

平成17年度総会に先立ち、講演会を開催しました。


自己責任において医療を選択したい

村上俊子

「山口県立総合医療センターは、名称が新しくなっただけでなく、県民の税金でまかなう県民のための病院として生まれ変わろうとしている」という講演冒頭の江里先生の言葉に、これからの医療に期待を込めて耳を澄ませました。

37年間、大学病院で研究を重ねて来られた先生は、患者と直接接する医療の現場に出られ、医療は学問だけでなく「心」がいると気づかれたそうです。そして、これからは、患者をトータルにケアすることが大事だと話されました。先生がこのことに気づかれたのは、医者になると決意されたとき、「医者になるからには、何等かの宗教心を持て」と言われたお父様の言葉を教訓として、医療に携わってこられたからだと思います。宗教心を持つということは、全てのものを慈しみ、愛する心と真の勇気と優しさを育てることではないかと思います。

先生は、医学知識や技術と同じように、患者の心を癒すことのできる医師を養成していきたいと言われました。これは、「お医者さまは神様」として、聞きたい事も聞けず、時には、人間性を無視されてもガマンすることの多い患者にとって、明るい未来が開けてきたようなものです。

また、先生は、患者側も自分の病気を医師に丸投げするのではなく、自己責任において医師にかかるよう力説されました。医者は、一般的・標準的な治療をするので、患者は、自分の病気は自分が治すんだという意識を持って、自分の情報・希望を医師にアピールしていくことが大切だと言われました。患者は、自己責任において自分で選択して医師にかかり、医師は、専門的な知識と技術に心を添えて患者にかかわりあっていけば、個人個人に適した納得のいく医療が行われるのではないでしょうか。医師と患者が信頼関係を育てることで、「病的老化」を最小化することができるのです。

「生理的老化」を素直に受け止め、病気に限らず全ての面で自己責任において選択し、先生のお話のように「セミが力いっぱい鳴いて、ポロリと木から落ちる」、そんな一生を過ごしたいと思います。

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NPO法人 周南いのちを考える会