NPO法人周南いのちを考える会 会報 2007年1月30日発行 第23号より

波多江伸子の「ホスピス・緩和ケア情報

           
佐賀県立病院好生館緩和ケア病棟
http://www.koseikan.jp/
 所在地   〒840-8571 佐賀市水ヶ江1丁目12−9
 お問い合わせ先 電話(0952)28−1214 緩和ケア病棟直通(南棟2階)
 緩和ケア外来    月・金 週2日 
 病棟スタッフ  牧野毅彦医師 日浦あつ子師長 看護師 調理師 ボランティア     
   病室はすべて個室で15床、特別室以外は個室料無料 
  <交通>  長崎自動車道、佐賀大和インターを降りて約25分
         JR佐賀駅より約10分

平成10年に、全国の自治体立病院の中では2番目の緩和ケア病棟として開設された好生館ホスピス。開設時に見学しましたが、このたび、「周南いのちを考える会」代表の前川育さんと一緒に久しぶりに訪問しました。

佐賀市は、会員の皆さんが住んでおられる山口県東部からは遠くて、ご自身やご家族が好生館に通ったり入院したりするのは現実問題としては無理でしょうから、公的緩和ケア病棟のモデルのひとつとしてご紹介しますね。
佐賀平野に柔らかい冬の青空が広がるお昼前。明るい陽射しが射しこむ緩和ケア病棟のラウンジでは、ボランティアさんが企画した絵本フェスタが行われていました。子供の頃の思い出を呼び起こす絵本たちが可愛らしく展示されています。
「懐かしいな〜。これ、娘に読んで聞かせた絵本ですよ」と、前川さんも絵本を手に取って見入っています。好生館では院内ボランティアが活躍していて、季節の行事やティーサービス、水槽の手入れ、巡回図書などもボランティアさんの手で行われます。

緩和ケア病棟師長の日浦さんのお話では、患者さんの大半は消化器系のがんの方のようです。ですから、入院時に食欲不振や吐き気、痛みなどを訴えてこられる方が多いとか。
病棟に設備の整った厨房があり、患者さんの病状に合わせて心配りをした食事が運ばれていました。その日はチキンライスとサラダ、ナスのあえものにクリームスープ、グレープゼリーといったランチでしたが、チキンライスを小さくまとめたり、スープ抜きだったり、お皿を小さくしたりの細やかな工夫がなされていて感心しました。器もガラスや陶磁器の小ぶりのしゃれたもの。盛り付けもセンスよくて上手です。(だいたい病院食って、味つけより器と盛り付けで食欲ダウンすることが多いんですよね)

好生館ホスピスのモットーは、" Not doing But being " 、「何かをするのではなく、ただそばにいること」を大切にすることだそうです。確かに、患者さんの生き方や家族との時間を尊重し、そっと見守るケアがなされているという雰囲気を感じました。自由度が高そうです。牧野ドクターはベテランの緩和ケア医師ですので医療面でも安心です。
ところで、ホスピスは、入院したらおしまいという死に場所ではありません。症状が緩和されれば自宅に帰ることも可能ですし、映画を観に行ったり旅行に出かけたりも自由。
入院費用は、医療保険が適用されますので自己負担額は加入保険の種類に応じて1割だったり3割だったり。一般の高齢者であれば月に44400円以内の自己負担ということになります。食費は1日780円。これも他の病棟と同じです。
私は、末期がん患者になったら、こんな静かで自由な緩和ケア病棟の個室で、症状をできるだけコントロールしながらゆっくり過ごしたいと思います。家族や気の合った友人たちとお茶や食事をしておしゃべりに興じながらさよならの時間を持ちたいです。前川さんも、「ここは、さりげなくていい感じですよね」と言われていました。
皆さんがお住まいの地域にも、こんな緩和ケア病棟があればいいんですが。


〜ボランティアによる絵本フェスタの様子〜

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