平成20年度 ホスピスケア講座より



「賢い患者講座」〜義務と権利を使って安心医療〜
  横井和枝先生
    (法研 カウンセラー統括マネージャー)  東京都  1/18

2年前の夏、ある会議で会って意気投合!
物事をまっすぐ見、芯の通った素敵な横井さん。同じ、「スキルス胃がん」だったこともあり、共通の悩みを語り合いました♪
この度の講座では、賢い患者とは、主体性をもった患者になるにはということを学びました。
                                                 (前川)

講演要旨

看護師として12年間、病院勤務。その間に「がんの告知」を受け、「患者」となる。それまでは、自分はずっと医療を提供する人間と思っていた。
入院中のベットで、患者の辛さを体験し、援助者をきどっていた自分を責めた。

患者の悩み
医療コーディネーターとして仕事をしているうちに、悩み相談に共通するのは、「医師とのコミュニケーション不足」であった。「今の説明がわからない」ということを伝えることが大切。勇気をもって「わからない」ということを言えることも大事なこと。
そして知識をつけること。これが患者には、必要。

相談を受け、悩みの整理整頓をする
 
コーディネーターは話を聞き、様々な思いの詰まった金魚鉢の中身を整理整頓します。
@ 病気の理解や治療の方法、病院のことなど病気に関すること。
A 例えば、医師、治療への不安なのか、誰かにやつあたりしたい気分なのか。
B 生き方、人生の優先度など。
C 医師がいったこと。
D 自分が思ったことを分けることです。
例えば、「自分はもう長くない」は、本当に医師が言ったことなのか、どこかで自分が勘違いしてしまったことなのか。このあたりで、必要以上に不安を増していることがある。


整理整頓が終わったら
@ 病気・治療提案など、今起きていることの解説。
A これからの見通し。
B 医療者の見方と、患者さんの見方のギャップの提示などをし、それを一緒に客観的にみてみる作業をする。
その中で、知識や医師へ再度確認することなど必要なことと、いらない不安を捨てること、治療選択のために検討していくことなど分けていく。

もし混乱してしまったら、紙に書いてこの整理整頓をする。それをみる。そして、
その中で分からない点や納得できない点を主治医に、次回外来で話してみる。
きっと何か解決するはず。

賢い患者の「あいうえお」義務
「あ」いさつを大切に
     医師と患者である前に、人対人です
「い」い関係は、お互いに
     相互理解には、お互いが努力しましょう
「う」っかり忘れは、メモとマイカルテ
     メモをとり、メモで確認。マイカルテにまとめておきましょう
「え」いえんではない命を自覚する
     医療の不確実性と命に限りがあることを理解しましょう
「お」まかせではなく、自己決定
      多様な選択肢と生き方の中で、あなたが望むことを決める
   
セカンドオピニオンを上手にとる7カ条
1.疑問点は、先に主治医に聞いてから
2.主治医に紹介状と診療情報をもらいましょう
3.予め、受け入れ先に確認しましょう
4.病気の経過と聞きたいことをまとめておきましょう
5.情報を集めましょう
6.手順をよく考えて
7.主治医への報告を忘れない





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