平成20年度 ホスピスケア講座より


「がんを抱えたときの心構え」
  内富庸介先生

    (国立がんセンター東病院 精神腫瘍学開発部長)千葉 1/18

徳山生まれ、徳山高校卒業の内富先生にお越しいただきました。
がん患者・家族の心のケアにあたられるだけに、気さくで優しく、受講された皆さんの感想は、「内富先生のような医師が近くにいらっしゃれば。。。。。。」でした。 (前川)

講演要旨

がんに対する心の反応
がんと診断された時
  衝撃→否認→絶望→怒り→悲嘆・落胆・うつ→不安→食欲低下→集中力低下

家族は何をすればよいか?

・ 弱音や気持ちを打ち明けられたり、相談されたりすることが出来るよう、耳を傾ける準備
・ 励ましは、患者にとってつらい場合がある
・ 役割の喪失を感じさせない
・ 「他人への迷惑感」を減らす
・ 患者に、これまでどおりの役割、決定を委ねる
・ (よくない例:「家の中は大丈夫!職場は任せて!」

基本的なコミュニケーション技術
コミュニケーションの準備
■ 身だしなみを整える
■ 座る位置に配慮

話を聴くスキル
■ 目や顔を見る
■ 相槌を打つ

質問するスキル
■ Yes/Noで応えられない質問

共感するスキル
■ 共感
・ 患者の気持ちを繰り返す(例:死にたいくらい、つらいのですね)
・ 沈黙(5〜10秒)を積極的に使う(例:波紋が収まり、患者が目を上げ、発言するのを待つ)
■ 探索
・ 患者の気持ちや気がかりを探索し、理解する(例:ご心配を教えていただけますか?)
■ 保証
・ 患者の気持ちを理解していることを明確に示す
(例:この痛みでお仕事をされてきて、さぞお辛かったでしょう。
皆さん、そのように思われますよ。
    多くの患者さんも同じような経験をされています。

がん対策推進基本計画
■ 緩和ケア
■ 身体症状の緩和や精神心理的な問題への援助
■ 終末期だけではなく、治療の初期段階から
■ がん患者のみならず、その家族に対しての心のケアを
■ 拠点病院に緩和ケアチームの設置を
■ 緩和ケア医、精神腫瘍医、緩和ケアチームの育成
■ 在宅医療、地域における緩和ケアの教育や普及啓発
■ 意思のコミュニケーション技術の向上

がん医療 〜見通しをもう1度持って、希望を取り戻す〜
学校・友人・仕事・家庭に囲まれた生活の中、がんになり、一時は落ち込むけれど、
希望への架け橋を築き希望を取り戻し、がんとともに生きることが大切。