会報記事 2010年2月5日発行 第31号

情報 (1)

書籍紹介(感想も含め)
                           
 

『妻を看取る日』 
〜国立がんセンター名誉総長の喪失と再生の記録〜

                            垣添忠生著 新潮社 \1.300

 

 幼いころの原風景から始まり、医師を志した理由、奥様との馴れ初めと幸せな結婚生活。がん闘病と死。その後の、一人での生活。

 そんな様子が、率直に書かれており、心打たれる本でした。自死すら考えたという垣添先生が、生きる希望を見出されたことに、安堵しました。

 

 2007年、「周南いのちを考える会」の講演会に来ていただいたときに、人間魚雷回天の基地・大津島をご案内するつもりでした。

「そんな哀しい場所は、遠慮したい・・・・・・」という、言葉をお聞きし、なんと心優しいという印象をもったのですが、この時、奥様ががん闘病中だったことを、この本で知りました。

 

『死にゆく子どもを救え』 〜途上国医療現場の日記〜

      吉岡秀人著 冨山房インターナショナル \1.300

 

 1月24日放送の「情熱大陸」を見られた方もいらっしゃることと思います。

「市民のためのホスピスケア講座」にも講師として来ていただいた吉岡先生のブログを加筆・編集されたものです。ミャンマーで15年、小児外科医として、医療活動を続けておられます。

 

国際医療ボランティア組織ジャパンハートを設立し、医療の届かないところへ医療を届ける活動をしながら、若い医療者を育てる活動も。

お金がない・医療器具がない・全身麻酔ができない(たびたび、停電になる)

など、さまざまな苦労の中で地道な活動を継続していくには、相当な精神力が必要だと思います。

 貴重な日々を、ぼんやり過ごしてはいけないと、襟を正す思いになる本でした。