2011年3月30日発行 第34号より

 「第7回市民のためのホスピスケア講座」

 

 読売新聞社「正力厚生会」助成金で開催のホスピスケア講座。(4回目・5回目の講座を要約し、ご紹介します)

 

4回目(1023日)

「記者から見たがん医療」    講師:辻 外記子さん(朝日新聞社)

                 

   

新聞記事には、がん医療のことがたびたび掲載されます。朝日新聞東京本社の辻さんも、その記者のお一人のです。

がん医療について取材し紙面に掲載した内容などを話していただきました。

 ・朝日新聞 がん新時代 20081月〜

   1.検診(上) 目指せ受診率50

   2.検診(下) 発見率、地域差3.5

   3.急増予想される放射線治療、どこで照射?

   4.抗がん剤の課題

   5.緩和ケア(上) 麻薬処方の質

   6.緩和ケア(下) 地域の支え手育成を

   7.チーム医療、専門・職種を越えて連携

   8.禁煙条例

   9.患者力、がんの体験生かしたい

   10.がん拠点病院 専任医師の確保に悩み

   11.地域のがん登録 データ役立つ

   12.韓国のがん対策

   13.高い!抗がん剤

   14.がん防ぐ生活習慣、禁煙・節酒・運動

   15.ピロリ菌除菌で胃がんリスク減らす

   16.生存率、数字うのみは危険

   17.リンパ浮腫  術後のむくみ

   18.「病期」とは

   19.抗がん剤、遺伝子調べて薬選ぶ

   20.相談支援センター全国に375か所

   21.子宮けいがん検診率2割

   22.在宅療養の実態と課題

   23.見直されるPETの力

   24.がん保険必要?

   25.がん条例の制定めざせ

   26.C型肝炎とインターフェロン治療(2010年度)

   27.がん患者の就労 会社の乏しい理解

   28.高い薬代、1日に1万円も

   29.がんと性生活 変わる感覚/機能低下

   30.補完代替療法 健康食品

 ・がん対策基本計画

    重点課題は

1.放射線療法や化学療法の推進と医師の育成

2.診断時から緩和ケア

3.がん登録の推進

 ・日本のがん診療の現状

    1.外科医中心のがん診療

    2.がん薬物療法専門医(腫瘍内科医)、放射線治療医不足

              ↓

      ・地域格差

      ・ドラッグ・ラグ 世界標準治療薬が使えない

      ・がん難民「もう治療法がない」と言われ、さまよう。

       医療連携不足

               ↓

理想的な診療  チーム医療


5回目(1123日)

「人をケアする・自分をケアする」   講師:内藤いづみさん

(ふじ内科クリニック  甲府市)

 

  「ホスピスケア講座」最終回は、パワー溢れる在宅ホスピス医の内藤いづみ先生。在宅で看取る熱い想いを語られました。

 

健康で長生きするための条件を厚労省は、血管・骨・内臓を元気にすることだと言っているそうですが、その他に仲間の力と死生観が大切だと話されました。
 私たちの地域でも高齢者の独り暮らしやご夫婦二人の世帯が増えてきています。家族が最後を看取れるとは限りません。仲間の力を結集できることがこれからの生活に安心を与えるのでしょう。
 内藤先生もお母様にリビングウィルを書いてもらえるまで3年かかったと言われていましたが、健康なときにこそ、最後をどう迎えたいか家族や仲間に伝えておくことが大切だと感じました。

 後半は在宅で看取られた方々のDVDを見せていただきました。印象に残ったのは、治療のためたくさんの管が入り、ベッドから動けない状態の患者さんが先生のささやき(悪魔の?)で退院され、在宅で人間らしい生活を送られた映像でした。予後はだれにもわかりません。
 しかし、ご本人もご家族もがんの痛みや苦痛を取り除いていただける内藤先生がおられることでとても安心だったと思います。「家」は予後が短いと宣告された方でさえ、生きる力を与えるのでしょうか、不思議です。

「がんになっても、障害を受けても最後まで希望をもつこと」、そして「一生に一度しか体験できない自分の死をポジティブに受け止めて」という内藤先生の言葉に本当にそうだなと思いました。            (Sさんの感想)

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NPO法人 周南いのちを考える会