周南いのちを考える会会報第44号 2014年8月発行

横巻き: はじめに

 

 

 


 いのちを育むがんの教育を

                           前川 育

 

 最近、小学校・中学校・高校で「がんの教育」を行う都道府県や市町村が増えてきました。56年前までは考えられなかったことです。第2次がん対策基本計画に、「がんの教育」が入ったことで進んだのでしょう。

 

 私は、時々、小・中・高校の人権教育の時間に「いのちの教育」的な講演をさせていただいています。

内容は、@子を亡くした親の哀しみA姉弟が重篤な病気になった時の、他の姉弟の心の葛藤B自分のがん経験で、死を身近に感じたこと

C母親ががんになったことでの、子ども達のストレスDそういう体験が元で市民活動を始め、少しでも何かの誰かのお役に立ちたいと願って生活していることEいろいろな経験をした結果、今の一瞬一瞬が大切で、幸せに思えるようになったこと・・・・・等を話しています。

生徒さんへのメッセージは、「いのちは有限であることを認識し、1日1日を大切にしてほしい。今、生きていることに幸せを感じてほしい」ということです。

 

スライドは写真を多くし、イメージが膨らむようにしています。暗くなりがちな内容ですが、笑顔で話すように心がけています。その様子を見て、人は辛い体験をしても、元気で明るく生きていけると感じていただけるようです。

 生徒さんから、「当然と思っていた今の生活が、実は貴重なものとわかった」とか「今日から、1日1日を大切に生きます」という感想をいただくと、とても幸せな気持ちになります。

未来を担う若者のこころに、いのちの大切さが届くように、そしていのちを想い、家族や友人を大切に想える人になってほしい、そんな願いを込めてこれからもこの活動を続けていきたいと思っています。

横巻き: 医療情報(1)

 

 

 

 


平成24年に設置された、厚労省「緩和ケア推進検討会」の中に、「拠点病院の緩和ケア提供体制における実地調査に関するワーキンググループ」が設置され、平成259月から12月の間に、全国の拠点病院の中から6か所を対象に、実地調査が行われました。

その報告書の中から、抜粋してお知らせします。

 

告知、病状説明における患者とその家族への配慮

課題

※告知、病状説明時の個室などの適切な面談場所に関する環境の整備

 やフォローアップ体制の整備が不十分。

              

 

問題解決に向けた提案

※医師からの告知や病状説明の際には看護師等の多職種が同席し、

継続的なケアを提供するとともに、医師に対して患者の理解度や

追加説明の希望などの情報を還元する体制を整備する。

(指定要件に反映されました)

 

 苦痛のスクリーニング

   課題

   ※院内で一貫した定期的系統的な苦痛のスクリーニングが実施され

    ていない。

                 

問題解決に向けた提案

※患者とその家族の立場から、苦痛について院内の誰に、どこに、

    訴えればよいかを広報するなどの環境を整備する。

 

 

相談支援の提供体制

課題

※相談支援に関して広報が不足していて、患者・家族にとってわかり

 にくい。

 

問題解決に向けた提案

※利用者目線の掲示と活動の強化など、患者利用を第一に考えた

取り組みを推進する。

 

緩和ケアチームへの診療依頼のあり方

   課題

   ※緩和ケアチームへ診療を依頼する基準が明確化されていない。

   ※緩和ケアチームの専門的緩和ケア能力が低いため、診療を依頼

されない。

             

問題解決に向けた提案

   ※緩和ケアチームの役割や診療依頼の基準を明確化するとともに、

院内で周知し、外来も含めた簡便な診療依頼方法や

リンクナースを活用したアクセスをルール化する。

 (指定要件に反映されました)

 

☆備考

  リンクナースとは?→医療施設の中で、専門チームや委員会と病棟看護師をつなぐ(リンクさせる)役割を持つ看護師のこと。

  看護師と多職種とをつなぐ(リンクさせる)という役割も持つ。

 

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朝から夕方までのハードな実地調査でした。私は2か所の病院に同行。

個人的に感じたのは、病院のロビーと各診療科の雰囲気で、何となく患者主体の病院か、医療者主体の病院かどうかがわかるような気がしました。

患者主体の優しい病院が増えるといいですね。

 

横巻き: 医療情報(2)

 

 

 

 


「緩和ケア研修会」ってご存知ですか?

 「がん対策基本法」に基づく「がん対策推進基本計画」において、 「すべてのがん診療に携わる医師が研修等により、緩和ケアについて基本的な知識を習得する」ことが目標として掲げられています。がん診療連携拠点病院や医師会で開催される研修会では、「5年以内にすべてのがん診療に携わる医師が緩和ケアに関する研修を受講する」ことを個別目標として掲げている・・・・・・・はずです。

「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会」の概要

        2日間で12時間以上の講義及びワークショップ形式の研修となっています。

        研修内容は、がん性疼痛治療法、身体症状に関する緩和ケア、精神症状に関する緩和ケア、コミュニケーション技術等を含む内容となっています。

        研修会を修了した医師は、厚生労働省健康局長及び研修会主催者の連名による修了証書及び日本医師会生涯教育制度の参加証(10単位)が交付されます。

        今年度から、拠点病院では、初期臨床研修2年目から初期臨床研修終了後

3年以内の全ての医師が「緩和ケア研修会」を終了する体制となりました。

 

研修医が一人前の医師に育つまでにはまだ時間がかかります。現在のがん治療医が、率先して受講していただきたいものです。例え、忙しくても・・・・・・・患者のために。

横巻き: 医療情報(3)

 

 

 


以下のような内容の記事が中国新聞に、写真入りで掲載されていました。

 

県立広島病院は、医師やがん患者から無料で相談を受ける

  「がん専門医よろず相談所」を、15日に開設する。

 毎週火曜日の午後1時から4時(要・予約)

 

予約は県立広島病院相談支援センター(082−256−3561)

治療の内容にも踏み込んだ相談にも対応するのが目的

担当の児玉哲郎医師は、栃木県立がんセンター名誉所長で、

  国立がん研究センター、同東病院に20年近く勤務。

中国地方のがん診療連携病院では初めてで、全国的にも珍しい。

夏の花の飾り罫10-ひまわりイラスト

以上のようなことが、写真入りで掲載されていました。

  

そして、そんな医師の存在とこの試みを始めた広島県は素晴らしいですね。

夏の花の飾り罫10-ひまわりイラスト

 

 

夏の花1-12-マツバボタンイラストちょっと、一息夏の花1-12-マツバボタンイラスト

    

桜島             石垣島

 

横巻き: 本のご紹介

 

 

 

 


『いのちの不思議な物語』 内藤いづみ著(佼成出版社)(1400円+税)

 周南いのちを考える会主催の講演会やホスピスケア講座に何度かお越しいただいている内藤先生の近著です。

本の帯に、

「自宅は患者さんにとって、自分を取り戻し、恐れを乗り越え、安らぎを得て、人生の最期にふさわしい、魂が許しあえる場所であることを読者の方々に感じ、知っていただきたいのです。」(内藤いづみ)と書かれています。

 

いのち・生と死について、また自分の生き方を考えることができました。

いのち・・・・・、不思議な存在です。

               

    

                    

 

 

『あきらめない』 山下貴大著   自費出版

 

小学5年生の10月に「脳腫瘍」と宣告され、その後「大腸がん」「白血病」・・・・と、過酷な闘病生活が8年間続き、昨年秋に亡くなった山下貴大くんとお母さんの手記です。

自費出版で広島県内の中学校や高等学校、図書館に寄贈されました。

販売はされていませんが、ご紹介します。

 

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「ある程度落ち着くと、医師の許可をもらってFUNKY MONKEY BABYS

の解散コンサートに行った。入院中は、FUNKY MONKEY BABYSの曲が心の支えになっていたので、解散すると知っていてもたってもいられなかった。いつもは冷静な僕だが、その時はタオルを振り回し狂喜乱舞した。

最高の6月2日だった。ホテルに戻ると疲れきってすぐにベッドに横になり寝てしまった。

翌日は、どこにも行かず、すぐ広島へ新幹線で帰った。

そこには長いトンネルのような白血病という現実が待っている。

今もまだそのトンネルの出口は見つかっていない。そんな僕の人生を知ることで、あなたの視野が広がってくれれば嬉しい。(完)

 

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闘病の様子を淡々と書かれていましたが、そこには苦しみを敢えて抑えた

文章だということを後で知りました。

お母さんの美香さんの手記を読み、厳しい闘病に胸が痛くなります。

今回、118日の「市民のためのホスピスケア講座」の講師にお願いし、快諾していただきました。何度か電話でお話をしましたがとても明るい声です。前を向いて歩かれています。貴大くんのあまりにも早い死を、必ず意味のあるものにされることでしょう。

横巻き: インフォメーション

 


お             

 

「市民のためのホスピスケア講座」を8月から開催します。

会員の皆様は、全5回で1000円です。是非ご参加くださいね。

 

がん患者サロン「きらら」

毎週火曜日と金曜日の10時半から午後3時まで、ボランティア2名が

山口県立総合医療センター2階でお待ちしています。早いもので5年になりました。「周南いのちを考える会」のブログで「きらら花一輪」として、きららサロンの様子を書いています。

          

 

そよ風⇒(がんの患者さんとご家族の集い)⇒場所を変更しました

名称を「ラ・ビューの集い」から「そよ風」に変更しました。

日時:毎月第2木曜日13:3015:30(途中からでも、ノックしてくださいね)

場所:下松中央公民館(ほしランドくだまつ内)下松市大手町2-3-1

 

26年度の会費がまだの方は、納入をよろしくお願いします

☆会を設立して13年、会員さんも一時に比べ少なくなりました。

☆郵便局のATMからも振り込めますので、よろしくお願い申し上げます。

 

<後記>

「ホスピスケア講座」のお知らせを発送するにあたり、送料節約のために大急ぎで会報を作成。焦って作った感が伝わったかも・・・・・・・。

梅雨の不順な気候、皆さま、ご自愛くださいね。        (まえかわ)

    シオノギ製薬(塩野義製薬)

Aflac 様 塩野義製薬  
NPO法人周南いのちを考える会の活動を応援していただいています